白鳥飛来

先月、栄光書房のホームページをオープンして最初の作品です。著者は珠洲市在住の中谷直彦氏。東京生まれの中谷さんは今年76歳。終戦前に能登に疎開しそのまま奥能登に住んでおられます。現役時代は郵便局の局長をしておられました。コスモス短歌会で短歌を学ばれた歌人です。これまで「風」を含め歌集を4刊、エッセイ集を6刊、花の写真集を3刊、能登焼の作品集を3刊・・・発刊しておられる、とても多才な方です。私とのお付き合いも24年になります。

今回の作品は「私の印」シリーズ第7集で、これまでの作品に掲載することのできなかった作品をまとめたものです。全体はエッセイ、短歌、俳句などで構成されています。本のタイトルとなった「白鳥飛来」は昭和35年の冬、能登内浦の九里川尻湾にはじめてオオハクチョウの集団が姿を現して大センセーションが起きたことに由来しています。それからの白鳥と地元の人々との間に暖かな交流を紹介。そして、いまではその地もグランドになりつつあり、白鳥の歌も詠めなくなったとしめておられます。

この本を編集し、能登を愛される中谷氏が、再び白鳥の歌を詠めるように、次代を担う私達が自然を守っていかなければならないと強く責任を感じています。

またこの本の巻末には「単語・タンゴ」という章があります。

実はこの「単語・タンゴ」は送られてきた原稿の中に、文章にならない「ごろ合わせ」のような言葉が羅列されていました。初めはどうしようか、手が付けられない、割愛しようと思いました。しかし、この言葉の意味と脈絡は、誰にもわからないかもしれませんが、著者には捨てがたい言葉の宝石のような気がしてきました。そこで、言葉が躍っているイメージから「単語・タンゴ」と名付けて収録させていただきました。

中谷さん、毎回、そして今回も編集のやりがいのある原稿をありがとうございました。